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雷検知器
1.雷の性質と雷検知器の限界
 雷の恐ろしさは「落雷危険域」(落雷域)があるということです。
   

 

 

 

はじめにA点に落雷があり、次にB点に落雷が
あったとします。このとき、少なくともABを
半径とする範囲内では、A点への落雷後、次の
落雷が、どこにあっても不思議ではない状態に
あったと考えます。ここではこの範囲のことを
落雷域と定義します。
 観測してみますと、落雷域は局地的な夏の雷の場合、およそ10(km)程度ですが、日本海側の
冬の雷の場合などでは、優に60(km)を超えることがあります。また落雷域が、雷雲の連なりに
より多数連なった場合、200(q)以上ということもあります。
 落雷の危険度は、条件によって大きく異なるため一概にいえません。直上で鳴っているからと
いって必ずしも落雷するわけではなく、逆に遠くで鳴っているからと安心していると次の瞬間落
ちてくることがあります。
 注意しなければならないことは、落雷域は人間の視聴覚のみでは正確に知ることができないと
いうことです。雷鳴が聞こえる範囲は雷放電発生地点からおよそ10(km)くらいまでです。もし
これより落雷域が広がっているなら、すでにその時点で危険な状況になっていることになります。
また落雷域は秒単位で変化していきます。最悪の場合、次の落雷まで数秒ないことがあります。
 落雷域の広がりは人間の視聴覚のみで正確に認識できない上、その接近速度は最悪、時速40
(km)以上にも及ぶことがある、雷はどこにでも落雷することなどから、屋外で作業をおこなっ
ている場合などでは、作業者が雷鳴、雷光を認める前には避難を確実に完了しておく必要があり
ます。
 雷検知器は人間の視聴覚に代わり雷を監視するものであり、例えば広域の発雷を高度に検知す
る能力のあるものなどは、登山、海水浴、ゴルフなどにおいて雷から身を守るための有効な手段
のひとつになるといえます。しかし雷雲の発生は突発的で、雷放電発生までの時間が雷雲の発生
より10分あるかないかということがしばしばあり、特に自身の居る場所の頭上で、急速に雷雲が
形成されるような場合には、高性能の雷検知器でも追従することができない(人が避難するのに
必要な時間を確保することができない)ことがあります。
 これは検知器の性能ではなく雷の突発性、移り変わりの速さによるものであり、雷検知器の全
てには限界があります。
 今日の雷検知器の主力は雷電磁波検出型の「ユーマン型」です。
 雷放電からはさまざまな電磁波が放出され、一見何の規則性もない雑音(ノイズ)のようにみえ
ますが、実は特徴があり、これを分析することによって雷検知を行うことができます。1970年代に
米国アリゾナ大学のユーマンによりこの特徴が発見され「ユーマン理論」として発表されて以来、
この雷電磁波検出型の雷検知器は発達してきました。
 雷電磁波検出型雷検知器は遠方で生じる雷放電を早期に発見できることが最大の特長でありその
電磁波を分析することにより、高精度雷発生位置やその規模、性質などを特定することができま
す。さらにこれを継続して行えば、雷雲の動きの予測もできます。
 この「ユーマン型雷検知器」は当初、航空機保安用として実用化され、その後、雷の本質解明に
大きな役割を果たしてきました。さらに今日では、「人身防護用」の小型の雷検知にまで広く応用
されています。
 しかしながらこのタイプの雷検知器にも限界があり、このことから今日米国では「人身防護用」
の雷検知器については、否定的な見解が出されるようになっています。
 けれどもユーマン型雷検知器によって得られた知見は貴重であり、今日雷からの人身防護に関し
ては、ほぼ確立されたものとなりました。
 すなわち雷からの直接の人身防護は雷検知器によるべきではなく、雷雲の発生のしやすさ、すな
わち大気の状態を観測することによるべきであるということが明らかになりました。「雷注意報」
が発令されたならばこれに従って屋外での活動を中止する、そして雷対策のなされた建物内に避難
するのが最も確実な、雷からの人身防護策になります。
 野山など雷の標的となりやすい場所に居て、ごろごろと聞こえた時には一刻の猶予もないと考え
なければなりません。直ちに安全な建物などに避難する必要があります。
 避難しようにも避難する場所がないこともあります。また、いざとなったら慌てて危険な場所に
避難してしまうこともあります。雷の標的となりやすいような場所に出かける前には、気象情報に
十分注意し、少しでも雷の恐れがあるときには出かけるのをはじめから控える必要があります。
2.自動制御用雷検知器の開発と発表 PopovThunder(特許・登録商標)
 平川研究所は雷検知器の開発を始めるにあたり独自に約5000回の雷観測を行い、また被害の実態
調査を行いました。その結果、雷の挙動を高精度に忠実にとらえたとしても、直接の人身防護につ
いては雷の非常に速い挙動により避難時間の確保の点でどうしても限界があり、将来的にも雷検知
のみによる完全なシステムの達成は困難、上述のように大気状態を精密に観測することが絶対確実
な人身防護策になる。そして実態として一番の問題は、雷サージによる機器被害であり、避難した
屋内での感電事故などもこれによって起こっていることから、雷検知器はこの問題すなわち二次的
な雷サージによる甚大な被害を防止するため、多目的に自動制御用として使えるものとしなければ
ならないという結論を得ました。1998年のことでした。
 しかし当時はまだ、雷検知器=人身防護用という考え方が主流であり、日々その改良がなされて
いた状態にありましたから、平川研究所の主張は全く受け入れられることはなく日本の雷対策機器
業界内では逆にその姿勢を問われ「全く人命を軽視している。貴様らのような業者がいることこそ
が日本の雷対策を遅らせている原因だ。」との厳しい非難と罵声を浴びるだけのものでした。
 それから10年余り、雷検知器先進国米国での見解が変わり、日本の雷探知網からの情報サービス
も、各種気象情報と併せたものに変わってきました。
 2000年当時、現在のJISはまだ未施行でしたが、この年、平川研究所は1号機を現在のJISに合わ
せたものにして商品化、JIS施行後の2004年初頭に現在の製品の一般発売を開始しました。ロシアの
アレクサンダーポポフ博士の発明した世界最初の雷検知器と同じ原理のものであることから、博士
の名前を頂戴し「ポポフサンダー」と命名しています。
 ポポフサンダーは雷検出素子にコヒーラを用いた落雷域の接近と離間を検出、自動で警報発令、
解除をおこなう自動制御用雷検知器です。
 建物内に収容された電気設備などを雷から護るためには、静電遮蔽の考え方を基本としますの
で、自動制御用雷検知器にはこれに応じたいくつかの性能が求められます。
コヒーラについて
〇 落雷前検知能力があること。
 制御用に用いる雷検知器は落雷した結果を捉えるだけでは不十分です。局地的な落雷発生前の
状態を捉え、一刻も早く警報を出すことが要求されます。
 落雷前、雷雲と大地で形成された空気コンデンサには膨大な量の電荷が蓄えられます。
 落雷とはこの空気コンデンサの絶縁破壊であり、その絶縁破壊の兆候を捉えれば落雷前検知が
可能となります。
 架空されている配電線や電話線は、空気コンデンサの中に挿入されている電極であり、雷雲と
架空線、架空線と大地で形成されたコンデンサの直列接続となるため架空線には雷雲の電荷変化
が顕れてきます。
 落雷直前にはこの電荷変化、即ち静電気的変化が典型的なものになります。ポポフサンダーに 
用いているコヒーラは雷放電により生じる電磁波に加えて、この静電気的変化に鋭感で設置点か
ら約1(km)以内で発生する落雷を直前に検知することができます。また冬の雷のように広い落雷
域を伴う場合にはさらに遠距離の落雷を直前に検知することができます。
〇 影響判断能力があること。
 制御用に用いる雷検知器は単純にどのくらいまで雷が接近したら警報を出すというものでは
不十分です。
 電気機器への影響は、主に雷によって生じる誘導電圧によります。一般的に、およそ10(km)
程度にまで雷が接近したら影響が出始めると言われますが、落雷には数10(kA)程度の弱いもの
から、数100(kA)を優に越えるものまであるため、単純に雷発生地点の接近、離間のみでの影響
判断はできません。
 そこで架空線そのものに雷検知器を接続し、実際の高周波的な対地間電位の変化を計ることが
必要になります。このため雷検知器自体に高耐サージ電圧性能と高感度の両立が求められます。
 コヒーラは数10(V)のインパルス電圧に応答する高感度特性とナノ秒の応答特性(高速雷
地絡器特性)が両立しているため、その耐電圧性能は 50(kV)にも及びます。
 ポポフサンダーはこのコヒーラの特長により、線路からの直接検出をおこなっています。
 このため電磁波強度から求められる単純な距離による警報ではなく実際の線路状態、即ち上述
の静電気感度と併せて落雷域接近の検出により危険度を判断、警報を発令します。
 線路から直接検出しているため、たとえ直上で雷が鳴っていても、線路に影響がない場合には
検知しません。逆に遠方の雷であっても、線路に影響のある場合には検知します。 
 加えて線路からの直接検出により、雷の危険性判断(接近、離間の判断)を雷検出の時間頻度
から直接計算できるため、雷警報の発令と解除ができます。従って警報時間を最適化することが
できます。
〇 誤警報が少ないこと。       
 コヒーラはインパルスに対する鋭い選択性を持っています。このため通常のノイズと雷サージ
をその周波数により弁別する検出部と組み合わせることなどにより、誤警報の少ない雷検知器を
実現することができます。
 また従来の電磁波検出型雷検知器の設置が難しかった強電磁界の場所(送信所など)にも設置
することができます。
〇 コンパクトなものであること。
  
 各種制御装置に組み込んで使用するため、コンパクトなものが望まれます。
 ポポフサンダーの雷検知ユニットは縦×横×幅 = 170×210×70 (mm) の大きさで、各種制御
装置内に収容することを目的としています。
3.ポポフサンダーの構成
 電源線や電話線に並列に、専用検出コイルと保護用の避雷器を接続します。
専用検出コイルから雷検知ユニットまでは同軸ケーブルで接続します。避雷器、専用検出コイル、
雷検知ユニットは1点接地にします。
〇 専用検出コイル
 ノーマルモードノイズフィルタ、バンドパスフィルタ、電位検出の複合機能を有したものです。
落雷前の対地電位の高周波的変化、雷電磁波とノイズの弁別をおこないます。
〇 雷検知ユニット
 専用検出コイルにより得られた雷電磁波や対地電位の高周波的変化は雷検出ユニットに送られ
ます。
 雷検知ユニット内のコヒーラはインパルスに対して鋭い感度と選択性を有している反面、通信
用の電磁波などに対しては鈍感ですので、従来の雷検知器では設置の難しかった、送信所などの
強電磁界下でも使用できる雷検知器が実現しました。
 コヒーラにより雷を検出後、内蔵回路により一定時間の警報信号を作ります。電源線や電話線
からの直接検出であり、警報時間は雷の接近、離間速度の統計データに検出頻度をあわせること
により常に最適化されます。なおオプションの専用シーケンサを用いると、さらに精細な最適化
を実現することができます。
製品のご紹介  
※UL規定改正により本製品の日本国内販売は終了しました。(日本には資格制度がないため。)
 資格制度のある海外向けには、従来通り販売しています。                  
  
      (専用検出コイル)
   (専用シーケンサ(オプション))
            (雷検知ユニット)
  対雷自動制御用に開発した雷検知器です。
  検出素子に新開発の長期安定性に優れたコヒーラ(特許4295698)を使用しています。
  コヒーラの優れた静電気感度により、約1(km)圏内での落雷を落雷前に検知できます。
  コヒーラの雷に対する鋭い選択性により、送信所等の強電磁界下でも使用できます。
  別立てアンテナは不要です。
  用途に応じた自動制御装置に組み込んで使用できます。

                                 (米国特許:US6586920B1 日本国特許:3266884)

  標準仕様
温度範囲  0〜+40(℃) 連続フル実装時)   
相対湿度範囲 10〜85 (%)  (連続フル実装時)
電源電圧  DC24(V)
最大消費電流 シーケンサ等のフル実装時 1.5(A)以下
ポポフサンダーユニット単体 
          定常時 50(mA)以下 
          検知時200(mA)以下
適応線路 100/200V 単相、三相線路 電話線路 他
感度

発雷検知  :設置点に落雷域が約10(km)に迫ったとき。
落雷前検知:設置点より約1(km)圏内に落雷発生の恐れが
        生じたとき。

雷警報出力 無電圧接点出力2回路(ポポフサンダーユニット)

                                                                                                    

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